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Suicaビッグデータ「駅カルテ」発売、首都圏600駅

駅カルテ(サンプル)

JR東日本は、自治体や企業向けに、Suicaの統計情報を使用した定型レポート「駅カルテ」の販売を5月から開始する。最小単位のレポート(1駅/月単位)を5つまで利用できる5レポートプランが50万円、契約期間内に多数のレポートをダウンロードできるStandardプランが3カ月で240万円、簡易版レポートを閲覧できるLightプランが3カ月で6万円など(いずれも税別)。

1月に構想や概要を発表していた「駅カルテ」が、具体的に企業や自治体向けに販売されることになった。1月の発表以降、積極的なデータの活用を求める声のほか、分かりやすい説明、データ除外を求める声など、さまざまな意見が寄せられたとし、それらを参考にしつつ、諸条件を検討した結果、販売が開始されることになった。

駅カルテはSuicaの入出場駅、入出場時間などを用いたレポートで、まちづくりや地域活性化に活用できるとうたうビッグデータ。対象駅は首都圏エリアを中心とした約600駅で、対象期間は2017年度以降。Suicaのデータは乗車駅、降車駅、日時、性別、生年月日(生年月に変換)のデータが用いられる。Suicaのユーザーが識別されないよう統計処理がなされ、図や表が月次のレポートとして提供される。

レポートには、対象駅が住宅街の駅なのか、オフィス街の駅なのかといったタイプの判定のほか、利用規模や伸び率、居住・訪問の割合、リピーター状況などさまざまな項目が用意されている。

Suicaユーザーへのプライバシーへの配慮については多段階の対策を用意する。まず元データから氏名と電話番号が削除され、生年月日は生年月に変換するという、個人の識別性を下げる処理が行なわれる。その上で、利用時間は1時間単位、年齢は10歳単位で統計処理が行なわれる。動向は1カ月を通じた1日あたりの平均で表示され、集計値は50人単位、30人未満は非表示になる。また、1日あたりの平均利用者数が100人未満の駅のデータは削除される。

Suicaのデータのレポートへの使用を希望しないユーザーは、集計から除外するよう申請できる。Webサイト、メール、電話のいずれかで手続きが可能。4月10日までに除外手続きを行なったユーザーのデータは駅カルテの全レポートから除外される。以降も除外手続きは可能で、毎月の月末を締め切り日として、その月以降のレポートから除外される。

除外手続きはこれまでも、自治体などに分析レポートを提供する場合などを対象として受け付けており、同様の対応となる。2013年以降に除外手続きを行なったユーザーの再申請は不要。